音楽家とお金7 ピアノ教室編⑦ 最終目標は何ですか?

ピアノ教室とお金、収益、経営のお話を色々と書いてきましたが、最近はピアノ教室の業界でも集客に本腰を入れる先生方が増えています。

地域差もあると思いますが、積極的に発信をしている教室はまだまだ少ないと感じますので、SNSで情報発信している教室は、ほぼどこでも順調に生徒さんの人数が伸びていると思います。

そうなってくると、自分一人では見られない人数の生徒さんが教室に通いたいとご希望くださるようになり、募集を打ち止めにする、または講師の先生を迎えて生徒さんをお任せするようになってきます。

最近話題の『オーナー化』

最近ピアノ教室業界でよく耳にするようになった『オーナー化』という言葉。

生徒さんを増やして、教室の『オーナー化』を目指しましょう!というスローガンの元に、生徒さんの募集に力を入れている先生が増えています。

私の教室でも、ピアノクラスは3人の先生方にお手伝いただき、またピアノ以外にギターの先生にもクラス担当をお願いして、講師5人体制でレッスンを行っています。

なぜこうなったかというと、5年ほど前にホームページブログを立ち上げた頃には、地域でそういったことをやっている教室がほぼ皆無だったので、すごい数のお問い合わせがあったんです。

『近くのどこに教室があるのかわからない。教室があっても、情報がないのでどんな先生かも、お月謝の金額もわからない。』

と、遠方の方からもお問い合わせが入るようになり。私一人で見られる人数のキャパシティを超えてしまったのです。

最初から講師の先生を増やして教室を拡大しようと思っていた訳ではなく、ニーズに応えた結果こうなった、という訳なのですが、正直なところ、自分で心から望んだ結果こうなったというわけではないからこそ、教室が拡大することにより、大変になったことの方が多いと感じています。

お金のやりとり

生徒さんから先生方に手渡ししていただいたものを、どのように私に届けていただくか?

教室の場所も点在していますので、取りに行くのも届けてもらうのも何かと手間ですので、教室拡大を機に銀行引き落としのシステムに変更し、先生方に月末に講師料をご請求いただき振込入金しています。

銀行引き落としシステムの導入と前後して、時期的に東京オリンピックの開催で一気にキャッシュレス化が進むことが予想できたので、クレジットカード決済やQRコード決済のシステムも導入していました。

そのおかげで昨年のコロナによるオンラインレッスンの際にもお月謝をお支払いいただくのに全く支障なかった、という予想外の展開もありましたが^^;

教室規模が拡大すると、事務的な処理が格段に増えますので、レッスン業務以外のことを自分の時間を割いてコツコツやるか、作業を外注する(事務員さんに頼む、何らかのシステムを使うなど)ということを考えなければなりません。

システムに使うお金がもったいないと思うなら自分で全部やることもできますが、ピアノの先生ってレッスン時間以外も忙しいですよね。

事務作業に費やす時間と自分の時給
VS
外注の料金

どちらが効率よいか?など、それぞれのケースで検討して決める必要がありますね。

発表会

生徒さんの人数が増えれば、発表会の内容も変わってきます。

ソロも弾いて、連弾もして、、、など、理想的ですが、生徒さんの人数が40人、50人となってくるとプログラム数がその分増えて、上演時間が長くなります。小さいお子さんたちが長時間みんなの演奏を聴いていられるのかどうか。何部かに分けて開催するのか。その場合はお花などの設えをどうするのか。

お客様の人数も増えます。

20人ほどの生徒さんまでは、100人収容のサロンホールで発表会ができましたが、40人、50人となってくるともう客席が足りません。

ほどよい席数のホールがあれば良いのですが、公共施設では小ホールの次は大ホールということも多いのではないですか?

大きなホールを借りての発表会は、ホール代だけでもかなりの費用がかかりますし、準備もそれに応じて大掛かりになります。お金の話で言えば、講師の先生の人数が増えれば、こういった行事ごとにも日当などをきちんとしなくてはいけませんね。

自分ひとりなら、これは自分が動けばいいからお金のことはさておき、で済んでいたことが、そうもいかなくなってきます。

教室テナントの管理や備品の管理

一人暮らしの自宅に何部屋もピアノ室があり、全て自宅内で完結できる場合はまた違うかもしれませんが、自宅には家族もいますので、ピアノ教室最優先というわけにもいきません。

講師の先生に委託するとなると、教室を自宅外に借りて運営する必要が出てきます。当然家賃などのコストが発生します。

昨年のコロナ対策では、空気清浄機、アクリルパーテーション、アルコールディスペンサー、体温計など、教室ごとに備品を購入するのに、経費も何倍もかかりました。

(文化庁の補助金で今年になって返ってきましたが)

教室の生徒さんがテナント付近で走り回って遊んでいた、など、管理者や近隣の方から苦情が来たりすることもあります。自分が直接見ていなかった部分においても、責任は自分にかかってきます。

オーナー化=経営者になるということ

とにもかくにも、教室が大きくなるということは、お金・時間といった管理コストが増えてくるのですね。

教室のオーナー化を目指す。

なんとなく、業界的にここが目指すべきゴールであるような風潮になっていますが、それは本当にあなたの目標ですか?

教室のオーナー化、それはストレートにプレイヤーから経営者になる、ということです。

生徒さんとの楽しいレッスンのことだけを考えているわけにはいきません。

  • 何のためのオーナー化ですか?
  • オーナー化により、あなたは何を得ることができますか?
  • そして、それを得たことにより次に何を目指すのでしょうか?

もしそこに明確な目標がないのであれば、あなたが目指すべき道はそこではありません

同業者の中にいるだけではわからないこと、というのはそういうことなのではないかなと思います。
なんとなく周囲の雰囲気に流されて、それが当たり前だと思っていませんか?

それぞれの先生が、自分の目標をしっかり掲げて、その目標に向かってそれぞれに工夫して経営していくようになったらこの業界も面白くなってくるんじゃないでしょうか。


ピアノ教室とお金の話から、経営、業界の今後のことにまでお話は広がりましたが、このあたりでピアノ教室編はおしまい。

明日からは音楽業界の一番の問題点である、演奏で仕事をする、という部分について考えていきたいと思います。

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