コードアレンジについて色々と書いていますが、今日は実際の現場でどのように使っているのかをご紹介してみますね。
演奏のお仕事には色々ありますが、クラシックの曲だけを楽譜通りに演奏することを求められる現場はそう多くありません。
- リサイタルなどでの演奏依頼
- クラシック曲の伴奏
といったところでしょうか。
BGM演奏などのお仕事は色々ありますが、クラシックだけということはほとんどなく、逆にポップスや映画音楽などお客様がよくご存じの曲が喜ばれるので、色々なジャンルを交えて弾いてほしい、とか、この曲、と指定のリクエストが来ることも多いです。
つまり、レパートリーをどんどん拡大する必要性に迫られるということですね。
また、同じ曲でもTPOに合わせて曲の尺やアレンジを変えるという必要もあります。
そんなときにいちいち都合のいい楽譜を探すことは難しく、譜面を一から書くのも大変すぎますから、ざっくりと理解して、あとは自分で弾きやすいようにアレンジする必要があるんですね。
逆に言えば、そういったことがサッとできない方にはなかなかお仕事は依頼できません。
先日、地域の高齢者大学OB会さまからのご依頼で演奏に伺い、ちょっと懐かしめのスタンダードな曲や懐メロを演奏しました。
コロナ以前はみなさまに歌っていただくコーナーも交えて構成していましたので、そんなときはご高齢の方でも歌いやすいキーに調整するなどの配慮も必要です。
また、共演する楽器の方や歌の方の都合でもキーチェンジ(移調)はしょっちゅうあります。
コードが一番活躍するのはここかもしれませんね。
今回はこの曲をD♭で吹きたいとのことだったので、この楽譜を半音下げで使用。
これくらいなら慣れれば書き直さなくても大丈夫です。
懐メロコーナーの楽譜も、想定していたキーはちょっと吹きにくいので♭系に変えてほしいとのリクエストで、DとGからB♭、EmをFmと微妙にチェンジしました。
書かなくても弾けるくらい馴染んでるものもありますが、一応書いておくと安心です♪
コードネームを書き換えるだけなら、一曲1分2分くらいでできますしね(^▽^)
そしてもうひとつよくあるのが、曲の尺(長さ)を変えること。
全曲まるっとやる場合もあれば、ソロ回しで途中繰り返しの回数が増えたり、逆に極力短くする場合もあります。
今回はアンコールピースとして最短バージョン、かつ楽器の都合でCmにチェンジ。
ということで、こんな楽譜を作って対応します。
・移調が楽!
・曲の構成把握が楽!
・楽譜を探しまわらなくてもOK!
音楽、とくにピアノでお仕事をしていこうと思っている方はコード奏のスキルがないとなかなか厳しいのではないかなと思います。
ポップスなんて絶対弾かないから私には関係ないわ、と思う方もおられるかもしれませんが、クラシックの曲を把握するのにもコードが分かるとかなり楽になりますから、知っていて損はしないと思いますね(*´з`)